心理コロキウム

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人はなぜ音読をするのか

橋麻衣子氏

(日本学術振興会/東京大学)

私たちは文字を読む活動によって,情報を得たりコミュニケーションをとったりする。この読書行動のやり方は大きく分けて,声に出して読む音読と声を出さずに読む黙読の2種類がある。我々成人は日常的に黙読によって読書をすることが多いが,時にはぶつぶつと声を出して本を読んだりすることがある。また,文字を覚えたばかりの子どもも音読を多用する。それでは,音読は黙読に比べてどのような利点や欠点があるのだろうか。
 本発表では音読時の認知プロセスを実験的に検討した心理学研究を紹介し,音読と黙読をどのように使い分けるとより効果的に本を読むことができるかについての議論を深める。
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ゆがんだ認知が生み出す反社会的行動

吉澤 寛之氏

(岐阜大学大学院教育学研究科)

犯罪者の「心の闇」は、得体の知れない闇なのでしょうか?講演では、犯罪者や非行少年の認知のゆがみに焦点を当て、彼らが何を考え行動に至っているのかを解説します。サイコパシーとの関連、認知のゆがみの原因などにも触れます。
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インターネット上での国際交流

松尾 由美氏

(関東短期大学)

インターネットの普及により,より簡単に世界中の人々と繋がり交流することができるようになりました。社会心理学では50年以上も前から,異なる集団の人と接すると相手に対する偏見がなくなり仲良くなれるという接触仮説(Allport,1954) が提唱されており,様々な研究においてこの仮説の正しさが示されてきました。果たして,直接相手と会わない,インターネット上での国際交流でも,この仮説は当てはまるのでしょうか?本講義ではいくつかのインターネット上での国際交流に関する実験や調査をご紹介しながら,この疑問について考えていきたいと思います。
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コミュニケーションの認知科学

開 一夫氏

(東京大学大学院 総合文化研究科 広域システム科学系)

私たちを取りまく生活環境は、ここ数十年で激変した。通勤電車の中を観察すると、七人掛け座席のうち四人はスマホか携帯を見ている。小さな子どもを連れた母親は,タブレット端末を巧みに操る我が子を笑顔で見ている。携帯電話、スマートフォン、タブレット端末など、情報コミュニケーション技術(ICT)のめざましい発展と、それに付随した情報機器のめまぐるしい開発は、我々の生活スタイルを劇的に変化させた。新たな情報機器の出現は 大人の生活環境を変化させただけでなく、小さな子どもの発育環境にも影響を与えている。乳幼児期からこうした機器と接触することは、リアルなコミュニケーション機会を奪ってしまうのか? ここでは、近年急速に研究が進んでいる人間の社会性に関する脳科学的研究を環境の劇的変化に関連付けて議論したい。
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社会福祉士・精神保健福祉士の役割とは

-大学病院における相談援助の実際-

榊原 有理氏

(名古屋大学医学部付属病院 医療ソーシャルワーカー)

近年活躍の場が広がりつつある社会福祉士、精神保健福祉士ですが実際にはどのような仕事をしているのかご存知でしょうか。多くの人は自分や家族が病気や事故によって今までの生活が出来なくなれば不安になると思います。それらの問題を 福祉の立場から解決に向け相談援助を行うのが医療ソーシャルワーカーです。今回は医療ソーシャルワーカーとしての経験を交えながら資格取得までのプロセスやソーシャルワーカーとして求められるスキルについて解説させて頂きます。
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アルファ碁はなぜ李世ドルに勝てたのか?

伊藤毅志氏

(電気通信大学,情報理工学研究科)

2016年3月にGoogle傘下のアルファ碁というコンピュータ囲碁プログラムが、李世ドルに勝利した。囲碁というゲームの特殊性を将棋と比較した認知実験から紹介し、コンピュータ囲碁がどうして強いプログラムを作ることが困難であったかを研究の歴史を紐解いて、概説する。そして、2006年以降に現れたモンテカルロ木探索の手法を説明し、アルファ碁がどうして人間トップを超えるほど強くなったのかを議論する。
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子どもたちの声の形

-声無きこえから私たちは何を学ぶか-

田中嵩久氏

(一般社団法人アンビシャス・ネットワーク)

昨今メディアでも多く取り上げられている「子どもの貧困」。今や6人に1人の子どもが貧困と言われている。発達途中の子ども達は様々な形で感情を言葉,体,そして自らの命を使って伝えようとする。特に貧困の中で経験値の少ない子どもや思いを抑圧された子ども達の声に対し,大人がいかに受け止め,どのような支援が出来るのか。社会背景や現在の支援に至るまでの動き,そして出会った子ども達の声なき声を元に皆さんと共に考えていきたい。
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幼児期における空間参照枠の使用

杉村伸一郎氏

(広島大学大学院教育学研究科)

私たちは,物や自分の位置を覚えたり他者に伝えたりする場合,自分や相手,あるいは環境などを基準にして,物の位置を表現しています。その基準を空間参照枠といいます。空間参照枠は,状況や文脈に応じて適切に使用しないと,探し物をしたり道に迷ったり,うまくコミュニケーションできなかったりします。本講演では,このような空間参照枠の使用がどのように発達するのかを,幼児期での実験を紹介しながら考えたいと思います。
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国際協力の心理学:貧困削減に心理学が貢献できること

佐柳信男氏

(山梨英和大学)

国際協力では,発展途上国の貧困層の人たちが自力で生活できるようになるために様々な研修が行われてきましたが,多くの研修は成果が出ているとは言い難いのが長年の現状です。その原因として,支援対象の行動や意志決定に関する心理が十分に理解されていないことが指摘されています。ところが,国際協力の分野に参入している心理学の専門家はほとんどいません。本講演では,始まったばかりの「国際協力の心理学」の取り組みについて紹介します。
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東日本大震災後の大学コミュニティ支援

-学生相談機関における震災後の学生支援活動-

堀 匡氏

(中部大学人文学部心理学科)

2011年3月11日に発生した東日本大震災は,東北地方各地に甚大な被害をもたらしました。被災県内の大学も様々な影響を受け,学生支援部門である学生相談機関では,学生への心理的影響に対するケアが重要な課題となりました。本講義では,私が過去4年間携わった,被災県内のある総合大学における震災後の学生相談活動について紹介します。青年期の学生における震災の影響や自然災害後の大学における学生支援の在り方などについて考えてみたいと思います。
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青少年の立ち直りを援助する

-少年院での実践を中心にして-

大河内 徹氏

(瀬戸少年院)

TV,新聞報道に見るような未成年による重大事件を始めとする非行・犯罪について,その発生の動向を概観し,事件処理の流れと処分の種類・内容を概説した上で,最新の心理アセスメントや少年院での教育の状況などをPPT,映像で紹介します。さらに,わが国の再犯防止施策,新少年院法,少年鑑別所法の施行に伴う制度展開などの今日的課題と目標に言及し,最後に,これらの仕事に従事する職種について紹介します。
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パイロットの空間認知について

相羽 裕子氏

(航空自衛隊航空医学実験隊)

大空を駆け回るパイロットは空間をどのように認知しているのでしょうか。飛行環境では、旋回等による遠心加速度(G)、3次元の回転運動といった負荷が加わります。さらに、パイロットは自機のみではなく、他機の状況を把握し、予測しなければなりません。パイロットは飛行経験を通じ、操縦に必要な空間的スキルを身につけていきます。本講義では、このような複雑で、かつ興味深いパイロットの空間認知について、最新の航空医学・航空心理学の見地から紹介したいと思います。
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シャイネスとオンライン環境

田島 祥氏

(東海大学)

様々な場面で高い社会性が求められる現代において、シャイネス特性は社会的活動を妨げる要因のひとつに挙げられます。では、シャイな人にとってオンラインでの人との関わりはどうなのでしょうか。対面とは違った話しやすさを感じるのか、それともオンラインでもシャイなままでしょうか。本講義では、シャイネスとインターネット利用の関係について考えます。また、ゲームとコミュニケーションの要素を併せ持つオンラインゲームを舞台としたシャイネス改善訓練プログラムの効果を検討した研究についてご紹介します。
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子どもにとって良い環境って?

-親子を取り巻くメディアから探る-

佐藤 鮎美氏

(京都大学大学院 人間・環境学研究科)

子どもの発達、子育てにとって良い環境とはどのようなものでしょうか?子どもたちは、まだ幼い赤ちゃんの時から様々な形態のメディアに触れています。たとえば、絵本、テレビ、携帯電話、iPadなどが挙げられるでしょう。これらのメディアが子どもたちにどのような影響をもたらすのかは、まだまだ未解明の部分が多いのが現状です。しかし、近年、少しずつ研究も進んできていますので、最新の研究をお伝えすることで、皆さんにも一緒に考えていただければと思います。
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見た目・行動から評価される「やる気」

-二次元キャラクターと少年サッカーを題材に-

名取 洋典氏

(いわき明星大学教養学部)

自分はやる気なのに、他の人から「やる気がない」と言われてしまったことはありませんか?やる気にさせようする周囲の働きかけが上手くいかないのは、両者のズレのせいかもしれません。この講義では、動きのない二次元キャラクターの「活発さ」が見た目からどう評価されたのか紹介します。また、少年サッカー競技者の練習中の様子がどう評価されたのかも紹介します。そして、どのような見た目・行動から「やる気」が評価されるのかについて考えていきます。
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産業場面での安全と心理学

松井 裕子氏

(原子力安全システム研究所)

産業場面では、作業者自身のけがや社会的な影響を及ぼすようなトラブル・事故を防ぐために作業者個人レベルから組織レベルまで様々な取り組みが行われています。近年、それらの取り組みに心理学的な知見を反映することへの期待が大きくなってきています。この講義では、電力事業での取り組みや最近の研究の紹介を通じて、産業場面での安全における心理学の役割について考えてみたいと思います。
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勧誘の心理学

-相手からの依頼を断る方法を考える-

太刀掛 俊之氏

(岡山大学学生支援センター)

世の中は相手からの依頼ごとにあふれています.友達づきあいや仕事の関係,もしかすると見知らぬ人からのアプローチもあるかもしれません.この講義では,わたしたちの安全・安心な生活を脅かす「勧誘」の場面を取り上げて,なぜ断わることができないのかについて心理学的な知見を紹介し,考察します.また,実演を交えながら,相手からの依頼をスムーズに断る方法についても考えてみましょう。
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なぜ赤ちゃんは指さしをするのか?

岸本 健氏

(聖心女子大学)

1歳の誕生日を迎えるころ,赤ちゃんは指さしを始めます。まだ言葉を十分に操れないこの時期に,なぜ赤ちゃんは指さしにより他者と意思疎通を図るのでしょうか。本発表の前半では,赤ちゃんの指さしが,後の言葉によるコミュニケーションの練習となっている可能性を論じます。後半では,赤ちゃんが指さしを発達させる,この時期の親子間コミュニケーションの特徴を論じます。 以上より,赤ちゃんの指さしの発達的意義を考察します。
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社会的迷惑の心理学

-正しいとは何かについて考える-

北折 充隆氏

(金城学院大学)

社会的迷惑行為とは、「当該行為が、本人を取り巻く他者や集団・社会に対し、直接的または間接的に影響を及ぼし、多くの人が不快を感じるプ ロセス」と定義されています。なので、何が迷惑なのか、何が正しいのかは、実は微妙なバランスで成り立っており、ちょっと視点をずらせば、良いとか正しいというのは、簡単に変わってしまうのです。本講義はそんな迷惑行為について、これまで行ってきた実験例を含め、解説したいと思い ます。
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なつかしさの心理学

-人はなぜなつかしさを感じるのか-

川口 潤氏

(名古屋大学大学院環境学研究科・情報文化学部・心理学講座)

人は昔の音楽を聴いたり子ども時代の写真を見たりするとなつかしい気持ちになり,その時のことをありありと思い出したりします。たとえば,小学校の頃のアニメソングを聴いたら,すっかり忘れていた小学校時代の出来事を思い出してなつかしい気分になったりします。人は,なぜこのようななつかしさを感じるのでしょうか?どのようなしくみで感じ,またなつかしさを感じることにはどのような働きがあるのでしょうか?心理学研究はまだまだ多くはないのですが,最近の研究を元に,特に人間の記憶の働きと関係づけて考えてみたいと思います。
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社会病理の鏡としての非行

-思春期の事件や臨床事例からひもとく-

大矢 義実氏

(愛知淑徳大学心理臨床相談室)

心身症状や問題行動の背景には、心的負荷の強さや葛藤処理の仕方といった個人の要因のほか、学校や家庭などの生活環境の要因もある。また、時代とともに社会が変わる中、人々が現す心身症状や問題行動の質も変化している。特に非行問題は、時代を映す鏡ともいわれる。非行を中心とした事例などから、思春期の心身症状や問題行動の特徴をひもとき、臨床群がどのような課題を抱えているか、また、時代の特徴とどう関連するか考察する。
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100回記念講演:心理コロキウムの過去、現在、そして、未来

西口利文・清河幸子・水野りか・佐藤友美 氏

(大阪産業大学・名古屋大学・中部大学・中部大学)

心理学科では開設以来,心理コロキウムを開催してきました。学生に講義では得られないような,生きた心理学研究を知ってもらう機会を作るためです。心理学科の様々な先生が,学生のためになる数多くの試みをしてきました。そうした趣旨や試みを学生に知ってもらうことで心理コロキウムに参加することの意義を知り,今後の励みとしてもらえればと考え,この講演を企画しました。 またこの講演では,教員から学生へという1方向のコミュニケーションだけでなく,学生の心理コロキウムに対する感想や意見を教員に伝えてもらう双方向のコミュニケーション・理解も目指します。そして最後に,これからの心理コロキウムのあり方についての提案とディスカッションを行いたいと思います。
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音楽療法へのいざない

栗野理恵子氏

(愛知淑徳大学心理学部心理学科)

歌を歌ったり、音楽を聴くことで気分が落ち着くといったことは、多くの方が経験されていることでしょう。音楽が私たちの心によい影響をもたらすことはよく知られています。本講義では,そのような音や音楽を療法的に使用する音楽療法についてご紹介します。音楽療法はどのような対象にどのように行われるものなのか、そして音楽療法がもたらす効果とはどういうものなのか、体験をまじえながら音楽療法の世界へといざないます。
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リハビリテーションと認知心理学

古田国大氏

(医療法人三仁会 あさひ病院,中部大学国際人間学研究科博士前期課程2年)

リハビリテーション(リハビリ)という言葉を聞いてどのようなことを想像するでしょうか?リハビリは高齢化による需要の拡大に伴い、徐々に聞き慣れてきた言葉であると思います。しかし、実際の臨床ではどのようなことが行われているかは現場を見てみないと分かりません。実はリハビリは心理学と密接に関係があります。現在、それを証明するためにリハビリの臨床における素朴な疑問を認知心理学的に解明しようと試みています。本講義では、リハビリとは何かについて触れ、これまでの研究成果を通してリハビリと認知心理学との関係を報告いたします。
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喫煙に関する研究と実践を顧みて

小川浩氏

(中部大学人文学部心理学科)

私は大学で心理学を学び、研究所でがんの疫学研究に没頭し、その後に大学で健康科学や心理学の教育に従事し、定年を迎えることになりました。これまでの研究と教育の諸活動を回顧し、喫煙に関連して私が取り組んできた研究と実践活動を紹介しつつ、喫煙の健康影響、たばこをなぜ吸うのか、どうしたらやめられるのか、吸い始めないようにするには、たばこ対策をどうしたらよいのかなどについて、思うところを述べてみたい。
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パーソナリティの発達と社会適応

谷 伊織氏

(東海学園大学人文学部)

人間の性格は、多くの人が自分や他者との関係の中で興味・関心を持っているトピックでしょう。心理学では、性格のことをパーソナリティと呼びます。今回の発表では、このパーソナリティが人生をとおして変化するのか?あるいは、安定しているか?という問題について取り扱います。さらに、パーソナリティが私たちが社会適応をする際にどのように関わっているのかについても紹介する予定です。
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Type C型行動パターンにおける認知スタイルの修正がパーソナリティの変容に及ぼす影響

橋本 崇氏

(TAOKAメンタルクリニック)

過剰に感情を抑えること(感情抑制)は、身体や精神に悪影響を及ぼすと言われています。また、がん誘発パーソナリティとも呼ばれるType C型行動パターンの本質的な要素であるとも言われています。感情抑制に焦点を当てた認知行動療法(Cognitive Behaviore Therapy:CBT)は、効果的な心理療法であると考えられています。本講義では、CBTの技法の1つであるコラム法を、より感情抑制の修正に特化した新しいコラム法として作成し、実施することで、どのような効果が得られたのかお話したいと思います。
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子どもたちはなぜ排除の状態から脱け出せないのか?

-児童養護施設の研究結果から-

谷口 由希子氏

(名古屋市立大学人間文化研究科)

児童養護施設とは、なんらかの事情で保護者とともに暮らすことのできない子どもたちが住んでいる家です。全国に約550ヶ所あり、1歳から18歳まで約3万人の子どもたちがいます。本講義では、施設で暮らしている子どもたちの背景と生活過程についてお伝えします。なぜ、子どもは施設で暮らしているのか、なぜ排除の状態から脱け出せないのか、私たちの社会はどのような社会なのか一緒に考えましょう。
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ピクトグラムの認知心理学

-街の案内表示からコミュニケーションツールまで-

北神 慎司氏

(名古屋大学大学院環境学研究科)

駅や空港などの公共施設で,トイレやエレベーターを示すマークを見かける機会は多いと思います.これらは,専門的には「ピクトグラム (pictogram)」と呼ばれるものです.それでは,なぜこれほどまでにピクトグラムが街中にあふれているのでしょうか?また,ピクトグラムは街の案内表示としてしか使われないのでしょうか?本講演では,認知心理学的な視点に立って,ピクトグラムの認知に関わるさまざまな問題やピクトグラムの利点・欠点などについて報告いたします.
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"違うよママ、黒い車だったよ"

-目撃者の記憶変容の人為的な見間違いを使った実験研究-

守 一雄氏

(東京農工大学工学研究院 先端健康科学部門)

犯罪捜査においても司法手続きにおいても目撃者の証言が有力な役割を果たす。しかし、目撃者の記憶は信用できないことが心理学的実験研究で明らかにされてきている。 複数の目撃者の証言が食い違っている場合、どちらの証言を信用すべきなのか。 目撃者の記憶は他の目撃者の証言に影響されるのか。 これらの疑問を実験的に解明するために、同じ映像を見ている複数の目撃者にコッソリ異なる映像を提示し、双方の記憶がどう変化するかを調べた一連の研究について紹介する。 卒論や修論で追試や関連実験をやりたい人には機器を貸し出すので、講演後に希望を申し出てください。
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心理学的視点に基づいた交通安全教育の実践

矢野 円郁氏

(神戸女学院大学)

近年,日本では自転車による交通事故が社会的問題となっています.自転車専用レーンの設置など環境整備による事故防止対策も進められていますが,交通ルールに反する走行など交通行動面の問題に対しては,交通安全教育といった心理学的アプローチによる対策が重要です.本講義では,昨年小学校で実践した自転車の交通安全教育実習についての報告を踏まえて,交通安全という領域における心理学的研究についてお話ししたいと思います.
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「ふつう」の心理学

-「ふつう」に対する感情反応と適応-

黒石 憲洋氏

(日本教育大学院大学)

文化論では、日本人は「ふつう」を好むと指摘されています。確かに、皆さんの中にも他者から大きく外れたくない、できるだけ同じようでありたいと考える人がいるでしょう。しかし、そうでない人もいるかもしれません。今回は、発達的視点や異文化比較を通して、自分が「ふつう」であることがどのような心理的影響をもたらすのかについて考えてみたいと思います。さらに、臨床的視点を取り入れつつ、自己が「ふつう」であることの意味を深く考えてみたいと思います。
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「ほめる・しかる」の発達心理学

溝川  藍氏

(明治学院大学)

「できないからやりたくない」「できないからもっとがんばりたい」−この違いはどこから来るのでしょうか。本講義では、うまくいかない出来事に出会ったとき、子どもがその失敗経験をどのように受け止め、次の行動につなげていくのかについて、発達心理学の視点から考えます。また失敗へのフィードバックに対する子どもの情動的反応や行動に着目し、「ほめる・しかる」の受け止め方の個人差・文化差を探ってゆきます。
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「社会」に生きる私達の脳

-いつからどのように私達は他人に敏感になるのか?-

平井真洋氏

(愛知県心身障害者コロニー 発達障害研究所 機能発達学部 研究員)

社会の中で生きる私達の脳のかなりの部分は他人に関する情報を処理することに費やされていることが最近の研究により明らかになりつつあります。では,いつからどのように他人に関する情報に敏感になるのでしょうか?本講義では,古典的な研究の紹介にとどまらず,発表者の研究を交え,最新の研究成果を交えて紹介する予定です。
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人の気持ちを利用する能力はどのように獲得されるのか

-子どもの説得能力の発達から-

佐藤友美氏

(中部大学)

人との良い関係を維持するには,相手の気持ちを理解し,それに応じて適切に行動することが重要です。これまで多くの研究が,人の気持ちを理解する能力について検討してきました。しかし,人の気持ちに応じた行動,つまり人の気持ちを利用する能力が,いつからどのように獲得されるのかはまだ十分に明らかにされていません。本講義では,人の気持ちを利用する能力の発達過程と想定されるメカニズムについて,特に子どもの説得の発達に焦点を当てて紹介します。
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学校から社会への進路選択の困難さ

-大学生・短期大学生の進路選択研究に注目して-

杉本英晴氏

(中部大学)

近年,高等教育から職業社会への移行の困難さが社会的関心を集めています。日本の多くの企業が新卒者一括採用を主流としており,大学生であれば3年生の秋ごろから就職活動への取り組みを求められることは周知の通りです。それにもかかわらず,なぜ学生は,就職活動になかなか取り組むことができないのでしょうか。本講演では,大学生・短期大学生を対象とした職業社会への進路選択過程に関する研究を紹介し,進路選択の困難さについて検討していきます。
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やる気の正体

-認知的動機づけ理論を超えて-

速水敏彦氏

(中部大学)

一般には「やる気」といわれるのは心理学の「動機づけ」という概念にほぼ相当しよう。本講演ではやる気の正体は何かを考察し、人はやる気とどのように向き合っていくべきかを考えてみたい。これまで心理学的研究では認知的動機づけ理論と呼ばれる認知が動機づけを導くとする考えが優勢であった。だが、現実生活の観察や人々の報告から動機づけには認知よりもむしろ感情が強く働くとする推測も可能である。感情が動因として作用し無意識的な習慣的行動から偉大な仕事に導く強烈な行動までの幅広い動機づけの源にとなるという理論を展開する。
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ブロック表現から見る心の世界

-カウンセリングと関係づくりの視点から-

加藤 大樹氏

(金城学院大学 人間科学部 多元心理学科)

ブロックとは,もともとは子どものためのプラスチック製の玩具です。現在では,ファッションやインテリア,アートの素材などとしても活用されています。また,世代や言語などに関係なく表現を楽しむことができるのもブロックの魅力です。今回は,ブロックの芸術療法の媒体としての活用可能性についてみなさんと一緒に考えることができたらと思います。また,個別のカウンセリング場面のみでなく,グループにおけるブロックの活用の可能性についても探っていきたいと思います。
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犯罪事実とは関係のない情報が一般市民の量刑判断に及ぼす影響

綿村 英一郎氏

(慶應義塾大学文学部 日本学術振興会 特別研究員)

量刑判断とは,刑事裁判の被告人にどのような刑罰を与えるべきかという判断です。規範的にも常識的にも,量刑判断は犯罪事実のみによって決まるべきですが,私たち一般市民は「被告人の母親が偶然交通事故に遭った」といった情報を与えられると,被告人への量刑を軽くします(もちろんこの情報は犯罪事実とは関係がありません)。逆に,交通事故に遭ったのが被害者の母親だと,我々は量刑を重くします。これはなぜでしょうか?本報告では,応報的動機と公正世界観の関係性をふまえつつ,その理由を考察します。また,実際の刑事裁判に対する示唆についてもお話します。
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動的課題解決における操作・情報取得の方略と認知モデル

小笠原 秀美氏

(中京大学情報理工学部)

人の日常には動的課題,つまり解決者の操作の有無に関わらず時間共に状態が変化するような問題が多く見られます。本講義ではビデオゲームのプレーヤの操作データと視点データから,動的課題の解決者の操作と情報取得の方略,そしてその熟達化の過程を分析した結果を報告します。そしてプレーヤの認知モデル作成の事例を通して,認知アーキテクチャ Soar や環境と相互作用する認知モデルについても紹介します。
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記憶を思い出すこと,忘れること

山田 陽平氏

(名古屋大学/産業技術総合研究所)

どうやったら記憶が良くなるのか,なぜ忘れてしまうのか,といった疑問を一度は抱いたことがあると思います。これまでの研究では覚えるときに焦点を当てて,さまざまな記憶方略の効果を見いだしてきました。それに対して,近年の研究では思い出すときに注目し,繰り返し覚えることよりも繰り返し思い出すことが長期的な記憶の保持に有効であることを示しています。また,忘れる原因は思い出すことにあることを明らかにしています。今回は,思い出すプロセスからみた記憶や忘却のしくみについてお話します。
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身体の健康に与える心理社会学的要因の影響について

-疫学調査による検討-

小嶋雅代氏

(名古屋市立大学大学院医学研究科 公衆衛生学分野)

アレキシサイミアとは、自分の気持も相手の気持も良く分からない、感情を言葉で表現できない性格傾向で、難治性の心身症患者の特徴として提唱された概念です。近年、様々な病気の危険因子として注目されています。身体的健康との関連が深い心理的要因として「うつ病」と「アレキシサイミア」に注目し、関節リウマチ(RA)と慢性腎不全という2つの異なる慢性疾患を対象として行った疫学調査の結果についてご報告します。
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読み書きの心理学

犬塚美輪氏

(大正大学)

私たちは,文章を読んで理解し,知識や意見を書くことで多くの情報伝達を行 なっている。文章の読み書きは,私たちの知的活動を支えており,これを改善す ることは広く学びの質を向上させることにもつながる。本発表では,「文章」に 焦点を当て,その理解と産出の認知プロセスを概観する。そして,認知プロセス の観点から,文章の理解と産出を促進する介入方法としてどのようなものが提案 されているかを紹介する。これらの提案について,その効果と検討が十分でない 課題を指摘し,展望を述べる。
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ストレス刺激を「成長」に結びつける対処方略

-ポジティヴ心理学の枠組みから-

川島一晃氏

(三重大学 共通教育センター)

最近ではすっかり日常語として市民権を得た「ストレス」という言葉ですが、心理学の研究においては一つのビックトピックとして従来研究されてきました。「テスト で悪い点数を取ってしまった。。。どうしよう。。。よし、カラオケに行ってパーッと気晴らしをしよう」ストレス刺激に対して人は対処を行います。この例は、困った 状況で気晴らしをしようとしていますが、現実的な問題は解決しない対処ですね。今までの研究では、何かが生じた後にどのように対処しようかという視点から研究がな されていましたが、困った状況が生じる前に、前もって我々は対処を講じていると思われます。例えば、「もうすぐテストがある。嫌だなぁ。でも将来の専門のテストだ から、頑張ってテスト勉強しよう」「部活のキャプテンに推薦されてしまった。困ったぞ。でも将来はリーダーシップを発揮して活躍したいから、いっちょいいキャプテ ンになるために頑張ってみよう」などです。このような事前の対処は、ストレス刺激からのネガティヴな影響を低減するのみならず、自分の成長にとって有益な体験とな る可能性もあるとされています。ストレスから成長できるという現象ですね。これらのストレスのポジティヴな影響についてはあまり実証的な検討がなされてきていませ んが、2000年あたりから提唱されはじめたポジティヴ心理学の領域で少しずつ検討されはじめてきています。今回は、ポジティヴ心理学と成長に結びつける対処方略につ いて紹介させていただきます。
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洞察における飛躍性と漸進性

寺井仁氏

(名古屋大学大学院情報科学研究科・JST/CREST)

人は,過去経験や,直面している問題から得られる手がかり情報をもとに,日常の様々な問題を効率良く扱っています.その一方で,それが先入観となり,単純な問題であ るにもかかわらず,行き詰まってしまうということも珍しくありません.例えば,傍目から見れば,答えがそこにあるのに本人は気づかない,後から振り返れば,重要な手 がかりを見ていたはずなのに気づけなかった,といったことを経験したことがある人も多いかと思います.本講義では,このような現象を,洞察における意識的な過程と無 意識的な過程の2つの側面として扱った,実験研究の結果について紹介いたします.
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パーソナリティ特性研究の最近の展開と今後の可能性

高橋雄介氏

(京都大学 高等教育研究開発推進センター)

パーソナリティ特性は,最近では心理学だけではなく,労働経済学・公衆衛生学などの他領域でも高い関心を抱かれています。今回の報告では,以下に挙げた2本の総説論文をもとに,パーソナリティ特性研究の最近の展開と今後の可能性について解説を行います。具体的には「パーソナリティはいくつの特性から構成されていると見るべきか?」「パーソナリティは他の変数と比較して何をどれくらい予測できるのか?」といったテーマを取り上げます。また,最近の研究の紹介として,パーソナリティ特性と健康との関連について縦断データの分析結果などについても報告します。 参考文献:高橋雄介,山形伸二,星野崇宏 (2011). パーソナリティ特性研究の新展開と経済学・疫学など他領域への貢献の可能性. 心理学研究, 82, 63-76. Roberts, B. W., & Takahashi, Y. (2011). Personality trait development in adulthood: Patterns and implications. Japanese Journal of Personality, 20, 1-10.
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他人に敏感な私達の脳

-いつからどのようにそうなるのか?-

平井真洋氏

(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所)

社会の中で生きる私達の脳のかなりの部分は他人についての情報を処理することに費やされていることが,最近の研究により明らかになりつつあります.では,いつからどのように他人に関する情報に敏感になるのでしょうか?本講義では,古典的な研究の紹介にとどまらず,発表者の研究を交え,最新の研究成果を交えて紹介する予定です.
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コミュニケーション能力を高める議論法

中野美香氏

(福岡工業大学)

近年,思考スキルや思考過程を捉える枠組として議論に関する理論的,実践的研究が国際的に活発におこなわれるようになった。議論スキルは教育者が批判的思考と呼ぶものの中心であり,現代社会において重要性を高めていると言える。本講義では,議論の熟達化プロセスに基づき開発した道具(主張の型・反論の型)を紹介し,道具使用による思考方法や認識の変化を体験してもらう。このような議論実践を通して,他者との関わり方や自分の在り方について参加者みんなで理解を深める場としたい。
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Who's Bad?協力行動を支えるこころの特性

鈴木敦命氏

(名古屋大学大学院環境学研究科)

人間は,それが自分の利益に直接結びつかなくても,他者や社会の利益になる行動をしばしばとる協力的な一面をもちます。災害義援金やボランティア活動,自己犠牲などはその例です。しかし,世の中には他人の協力に“タダ乗り”する“悪い人”も少なからずいます。タダ乗りが自由にできるならばそれは最も有利な方略なので,社会は悪い人にあふれ,協力行動はほとんど見られないはずです。逆に,人間社会で協力行動がめずらしくないという事実は,私たちが悪い人に敏感であり,タダ乗りを見逃さない傾向をもつことを示唆します。今回はそうした人間のこころの特性について私自身の実験結果をまじえつつお話しします。
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パーソナリティの理解はどのように発達するか

清水由紀氏

(埼玉大学)

われわれは、他者と相互作用する際、相手が「どんな人か」ということを知ろうとします。このような「パーソナリティ特性」は、時間や場面が異なってもある程度一貫しているため、その理解は相手の今後の行動の予測を可能にします。したがって,安定した他者との相互作用において、パーソナリティ特性の推論は不可欠であると言っても過言ではありません。本講義では,このようなパーソナリティ特性の理解が幼児期・ 児童期にかけてどのように発達するのかについて,実験結果をもとに紹介します。 また近年,我々は他者の行動を見ただけで,その人のパーソナリティ特性を意図せず,無意識に推論することが報告されており,「自発的特性推論」と呼ばれています。その発達過程や文化差についての研究にも触れたいと思います。  
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はじめに"単語"ありき

-In the beginning was the Word-

川上正浩氏

(大阪樟蔭女子大学)

日本では,どうも単語認知研究はあまり盛んではないようです。 しかし我々の生活は,言語なくしては考えられませんし,言語の 基本は"単語"です。そして,"日本語"というシステムは海外研究 者の注目も集める特殊性を持っています。今回のコロキウムでは, (日本の)心理学の研究としてはあんまりメジャーでない単語認 知研究のおもしろさ,そして,日本語という言語のおもしろさを お伝えできたらと思います。筆記用具持参でご参加下さい。
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青年期の全体的自己価値の変化

-青年は自分にネガティブ?-

山本ちか氏

(名古屋文理大学短期大学部)

全体的自己価値とは,自分のことが好きか,自分自身に満足して いるかなど,自分自身のことを全体的にどれだけ肯定的に(ある いは否定的に)評価しているかです。本講義では,中学生の全体 的自己価値は,肯定的なのか否定的なのか,中学の3年間で変化 するのか,その変化にはどのような要因が影響を与えているのか について,縦断調査の結果に基づいてお話いたします。また,中 学生だけではなく,中学から大学までの青年期の間に,全体的自 己価値がどのように変化するのかについてもお話いたします。
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臨床心理学からの認知症領域へのアプローチ

鈴木亮子氏

(名古屋大学)

臨床心理学は,疾病や障害も含め,様々な領域へのアプローチを 行ってきました.しかし,認知症領域へのアプローチは,他の領 域に比べれば随分立ち遅れています.今後,高齢化が更に進む日 本において,認知症のケアは大きな課題です.今回,臨床心理学 からの認知症領域へのアプローチとして,ご本人への援助・ご家 族への援助・アセスメントをとりあげます.具体例をおりまぜな がらご紹介していき,これから発展していくこの領域に,皆さん が少しでも興味を持っていただければと思います.
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心の社会・文化依存性

-文化心理学的アプローチ-

石井敬子氏

(神戸大学)

人の心は、普遍的かつ生得的要素をもとにして、それらを取り巻く文化の日常的な現実によって構成されている。さらに特定の文化に見合った心の性質をもった人々は、その文化に生きていくことを通じ、その文化を維持・再生産していく。このような考え方は、近年、文化心理学として提唱されてきている。本発表では、心の性質の中でも特に認知スタイルの文化依存性に注目した研究を紹介し、今後の展望について述べる。
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道徳の心理学とトロッコ問題

中村國則氏

(東京工業大学)

”ある人を救うために他の1人を犠牲にすることは許されるか”、という問いは道徳のジレンマと呼ばれ,公共哲学の重要な問であると同時に,”実際の人が何を許し何を許さないか”を考える意味で心理学的にも非常に重要な問題として注目を集めてきた.特に近年,”トロッコ問題(Thompson, 1985)”と呼ばれる実験課題やそのバリエーションを用いた分析が広く行われており,そこでは同じ1人の犠牲であっても文脈を変えることによって判断が大きく異なることや,そのような道徳的な判断が生じる脳内基盤が明らかにされてきた.そのような背景の下、今回のトークでは、道徳のジレンマに関する研究を概説したのち,”道徳のジレンマとは一体何を測っているのか”,という観点から講演者が行った実証的研究,及びその知見から導かれる先行研究(Greene et al, 2001, Science, 293, 2001, 2105-2108.)への再解釈を紹介する.
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学校現場における非行臨床

山口力氏

(愛知県教育委員会義務教育課ネットワークアドバイザー,愛知県スクールカウンセラー、愛知教育大学非常勤講師)

スクールカウンセラー(SC)の歴史は、平成7年に「スクールカウンセラー活用調査研究委託事業」 として始まり、今年で15年目を迎えます。自殺やいじめ、不登校など深刻な問題が学校現場に山積していたことがSC導入の経緯であったため、当時から、SCは非社会的な児童生徒を主な対象とし、反社会的(非行・問題行動等)な生徒はSCの対象とはならないといった暗黙の了解があったようで、そのような状況は現在も続いております。本講義では、学校現場における臨床心理士による 非行臨床の可能性や実践について報告させて頂きます。
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他者とともに学ぶ上手な”学び方”

-心理学から学校や家庭でできることを考える-

植阪友理氏

(東京工業大学・日本学術振興会特別研究員)

覚えることや問題を解くことなど,勉強に関する悩みを抱える人は少なくありません。こうした学習上のつまずきは,“学び方”がうまくないために生じていることがあります。上手な学び方を知っていると,社会に出てからも役立つと考えられますが,従来の日本の学校教育では十分に指導されてきませんでした。一方,心理学には上手な学び方や,それを身につけるための様々なヒントが隠されています。そこで,今回の発表では,まず,心理学を参考にして上手な学び方の具体例を紹介したいと思います。また,学び方は個人の問題と捉えられがちですが,友達や先生など他者が果たす役割も少なくありません。そこで,上手な学び方を身につけるために,他者がどのような役割を果たしうるのかについて,考えてみたいと思います。最後に,近年少しずつ行われるようになってきている,学ぶ力の育成を意識した学校実践を紹介し,こうした力の土台を育てるために家庭でできることについても提案したいと思います。
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計算モデルを用いた概念の内部表象の検討

松香敏彦氏

(千葉大学)

概念が人間の「頭」の中でどのように表象されているかを説明する理論には、大きく分けて、ルール理論、プロトタイプ理論、事例理論が挙げられる。これらは知識の構 造の理論であり、これらを基に、ルールモデル、プロトタイプモデル、事例モデルが開発され、それぞれの理論の記述的妥当性が定量的に検証されてきた。しかし、いま だに決定的な理論・モデルは提唱されていない。例えば、ある条件下においては事例モデルがもっとも高い記述的妥当性を示すが、他の条件下では事例モデルは妥当でな いと指摘されることがある。本講義では、ルールモデル、プロトタイプモデル、事例モデルの全てを単一のモデルで説明可能であることを示し、ルール的、プロトタイプ 的、および事例的内部表象は固定的なものではなく、概念形成時に生じる現象であるといった新たな理論を紹介する。
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他者をみる

---自己との類似性の理解がひらく初期コミュニケーション---

實藤和佳子氏

(大阪大学)

他者の心の理解のめばえとして他者との注意の共有や意図理解が注目され、 他者のみかけや行動が自己と類似していることの気付きが、こうした理解 へと開く扉になっているのではないかと言われ始めています。実際、乳児 は自分自身と似た乳児を好み、他者全般に関心が低いとされる自閉症児に おいても、自己との類似性を強調されると関心を示すようになることが分 かってきています。今回は、発達の初期にみられる自己―他者の類似性理 解に関する研究成果をお話いたします。 
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感情が認知的処理に与える促進効果と干渉効果

榊 美知子氏

(日本学術振興会・産業技術総合研究所・南カリフォルニア大学)

私たちは毎日の生活の中で,他者の笑顔やおいしい食事,試験での失敗など, 様々な感情刺激に直面します。こうした感情刺激に直面すると,そのことば かりを考えてしまい,他のことがおろそかになってしまうこともあるかもし れません。このように,感情はその後の認知的処理を阻害すると考えられま す。ただし,感情刺激に直面しても,常にその後の認知的処理が阻害される とは限りません。本講義では,こうした感情が認知的処理に与える影響に関 してご紹介します。特に洞察的問題解決や意味的処理に焦点を当て,行動実 験の結果や脳画像実験の結果をご報告させていただきます。
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なぜ,宇宙飛行士にカレーが好まれるのか

-味覚とストレスに関する精神生理学的研究-

加藤みわ子氏

(愛知淑徳大学心理学研究科,中部大学非常勤講師)

私たちのこころとからだの健康を考えるとき,食生活はとても大切な要素 のひとつです。また,食事を「おいしく」感じるためには,味覚が重要な 感覚であることは言うまでもありません。一方,近年は,宇宙ステーショ ン・「きぼう」をはじめ,日本人宇宙飛行士の活躍も目立ちます。その中 で,宇宙飛行士の健康と生活の質を高めるために,宇宙食にも注目が集ま っています。驚いたことに,日本のカレーは各国の宇宙飛行士にも大好評 です。今回は,味覚とストレスに関する研究成果の紹介を通じて,宇宙で の味覚変化について考えます。
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動物福祉と心理学・行動学の寄与

上野吉一氏

(名古屋市緑政土木局東山総合公園)

心理学あるいは行動学の進展により、動物は苦痛を感じたり要求を持つ能力を 有する存在であることが明らかになってきた。こうした理解への責任として、 動物を飼育する上でその生活環境に対し考慮することが求められる(動物福祉 的配慮)。この方法は一義的に決まるものではない。制限された飼育環境を向 上することを目指し、動物と環境の機能的な関わりを明らかにする必要がある。 これは心理学ないし行動学の課題といえるだろう。
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幼児期の心の理解の発達

-3歳児と4〜5歳児の差異に着目して-

瀬野 由衣氏

(東京大学・中部大学非常勤講師)

人は,いつ頃,どのような過程を経て自分(もしくは他者)の行動の背後に その人に固有の心的世界が存在することを理解するようになるのだろうか。 本発表では,筆者のこれまでの一連の研究から,定型発達児では,4〜5歳 頃から自他の心的状態の差異を自覚化するようになること,こうした自覚 化には,行為を一時的に抑制し,自分の有する知識を心的に保持する能力 の発達が関わるという事実を中心に報告する。  
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乳幼児期における家族相互作用の検討

大場実保子氏

(大垣市民病院)

家族は,子どもにとって最初の社会的文脈であり,豊かな心を育む舞台で ある。親から子になされるかかわりや,家族間で繰り広げられるやりとり は,子どもの情緒・行動発達に大きな影響を及ぼしうる。このため,乳幼 児期における家族のやりとりを詳細に検討することは,家族間の良好なや りとりを促進するための一助となりうる。本発表では,家族相互作用の詳 細な分析方法であるCPICSを紹介する。そして,この時期の家族において どのようなやりとりがなされているかや,そうしたやりとりと密接に関連 する親の心理的要因について詳述する。 
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好みは無意識に左右される

山田歩氏

(青山学院大学)

好みは意識化したり言語化することが難しい要因によって左右される。 そのため、人はしばしば、自分の好みの原因や理由を探るとき、実際とは 異なる原因や理由と実際の原因・理由を取り違えてしまう。今回の発表で は、こうした原因の取り違えが個人の判断や決定に及ぼす影響を検討した 研究をいくつか紹介します。消費者の選択行動、絵画の鑑賞、歩行者の経 路選択などの話題を取り上げ、人の意識と好みについて検討します。
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自ら学ぶ力とは何か

-自己調整学習の理論に基づいて-

伊藤崇達氏

(知教育大学学校教育講座)

日本の教育において「自ら学ぶ力」の育成が重視されています。「自ら学ぶ力」とはどのように考えることができるでしょうか。近年、欧米の研究では、自律的な学習のあり方を統合的、総合的に捉える考え方として「自己調整学習」の理論が注目されています。これらの理論や研究知見を手がかりにして、「自ら学ぶ力」の育成のあり方について考えを深めてゆければと思います。
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運動性言語野はいかにして他者の行為を観察するか

脇田真清氏

(京都大学霊長類研究所)

大脳左半球の前頭葉にあるブローカ野は,他者の行為を観察したり模倣したりする時に活動するため,行為の目的や行為者の意図を表現すると考えられるようになりました。しかし,ブローカ野は言語を話すことに関わるとされてきた領域です。したがって,この脳領域が表現しているのは,目的や意図ではなく,言語や行為に共通な特徴だと考えられます。こうした観点から,ブローカ野が観察する行為の何に関わるのかを考えてみたいと思います。
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青年期女子の同性友人グループに関する研究

-『ひとりぼっち回避規範』の視点から-

大嶽さと子氏

(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・中部大学非常勤講師)

青年期女子の友人関係の特徴として,特定の友人グループに所属し,学校生活の多くの時間を一緒に過ごすという傾向がみられます。こういった行動は,学校生活で適応感を得るために必要不可欠である一方,時にはストレスを与えることもあると思います。その背景として、集団内に「ひとりぼっち回避規範」という規範意識が存在しているのではないかと考え,これまで研究を進めてきました。その中から,今回は中学校における一連の調査を中心にご報告させていただく予定です。
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他者との協同によって発想の転換は促されるか?

清河幸子氏

(中部大学)

日常生活の中で,私たちは周囲の人と協力して物事に取り組む機会が数多くあると思われます。特に,一人で考えて行き詰ってしまった時や,新しい発想が必要な時に,他者と協同することが多いのではないでしょうか。それでは,本当に他者と協同することで新たな発想が生みだされるのでしょうか。また,そうだとすると,どのようなプロセスによって生じているのでしょうか。今回は,これまでの実験研究の結果を踏まえて,これらの問いに対する回答を示したいと思います。
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児童・青年における解離傾向の特徴

-精神症状および心理社会的要因との関連を通して-

吉住隆弘氏

(中部大学)

昨今の臨床現場では、「自分という実感がない」や「過去の記憶がない」といったことを訴える方が増えています。でも皆さんの中にも、ボーっとしてその間ことを覚えていなかったり、いつもと違う自分に気づいたりといった経験のある方も大勢いるのではないでしょうか。このような体験を説明するのが、「解離」という概念です。コロキウムではこの解離と、こころの問題との関連を中心に報告させていただきたいと思っています。
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他者に敏感な私たちの脳

-バイオロジカルモーションを用いた脳研究-

平井真洋氏

(日本学術振興会,生理学研究所感覚運動調節部門)

私たちは多くの人々に囲まれて生活しています.近年の脳科学の研究に よれば,私たちの脳は「他者」を「モノ」とは異なる脳部位で処理して いることが報告されています.興味深いことに,私たちはたとえ外見の 情報をそぎ落とされたとしても,運動情報のみから他者を「見る」こと ができます.では,このような情報処理が脳の中でいったいどのように 行われているのでしょうか?本講義では,このような興味深い知覚現象 の紹介とともに最新の脳科学の研究成果を報告いたします.
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インターネット利用と精神的健康

-子どもの研究を中心に-

高比良美詠子氏

(中部大学)

インターネットを利用して人とコミュニケーションをとることは、近年では、ごく当たり前の行為になっています。これは、10代の子どもにおいても同様です。しかし、「子どもの頃からこんなにインターネットを使っていたら、人間関係やこころの状態に何か悪い影響が出るのではないか」と不安に思う大人も多いようです。そこで、今回のコロキウムでは、主に子どもを対象にした研究の結果を紹介しながら、インターネット利用と精神的健康の関係について考えてみたいと思います。
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怒りと人間関係

-自分の怒りを理解してもらうには -

阿部晋吾氏

(梅花女子大学現代人間学部心理学科)

一般的に,怒りをぶつけることは人間関係にとって望ましくないもののように思われていますが,実際には必ずしもそうとはいえないケースもよくみられます。怒りが人間関係の中でどのような役割を果たしているのか,その実態についてお話します。また,正当性という概念を中心に,怒りをぶつけることで良い結果が得られる場合と,悪い結果しか得られない場合の違いについて考えてみたいと思います。
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社会的な認識に関わる二次の心的状態の理解とその発達

林創氏

(京都大学高等教育研究開発推進センター)

私たちは,単に「Aさんが・・・と思っている」などと読み取るだけではなく,「Aさんが『Bさんは・・・と思っている』と思っている」というように入れ子構造を持つ心の状態(二次の心的状態)を読み取りながら,さまざまな社会的認識をしています。本コロキウムでは,児童期の子どもを対象とした虚偽の認識や道徳的判断などの認知発達的な研究を紹介しながら,二次の心的状態の理解が,児童期に安定して可能になり,人間の豊かな社会性を支える一つの基盤となっていることを報告させていただきます。
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自己・他者認知の発達メカニズム

開一夫氏

(東京大学大学院情報学環)

乳児は,外界と自己をどう区別するのか? 乳幼児は自分自身をどのように認知しているのか? 「自己意識」はいつ生まれるのか? この講演では,長い間,哲学で議論されてきたこれらの問題に,発達認知神経科学という学問領域からアプローチしている我々の研究について紹介します。具体的には自己像の認知・母子間相互作用に関する行動実験・脳活動計測実験の結果と今後の課題について話します。
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よく考えることで説得効果は変わるのか?

-説得効果と説得内容の精緻化との関係-

伊藤君男氏

(愛知学院大学大学院心身科学研究科研究員)

説得に関する効果は,その説得に関する情報をよく考えること(精緻化)で変わってくることが,説得の二重過程モデルから予測されている。今回は説得の二重過程モデルに基づいた説得研究を紹介することで,いかに精緻化により異なる説得効果が得られるかを説明する。それに加えて,人が説得に関して精緻な情報処理をおこなっているか否かを検討する方法として,従来の「説得メッセージの再生」・「思考リスト法」ではない,「生理的指標の使用」を試みた研究も紹介する。
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心理コロキウム概要

顔認知メカニズムの生涯発達的変化を探る。

坂田陽子氏

(愛知淑徳大学 コミュニケーション学部)

人は生後まもなくから顔へ注意が向くということが様々なデータから分かってきた。この顔に対する注意は加齢に伴い どのように変化するのかを,大学生と成人の眼球運動の測定データを基に解説する。さらに,表情の違いは顔に対する認知に 影響するのか,またそれは加齢に伴い変化するのかを,幼児,大学生,高齢者のタッチパネルを使った実験データを基に,3 世代の比較を通して解説する。
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他人の不幸はなぜうれしいのか?

澤田匡人氏

(宇都宮大学 教育学部)

あなたは,誰かが失敗したのを知って,思わず心を弾ずませてしまった経 験がありませんか?“他人の不幸は密の味”とはよく言ったもので,こうした意地 悪な感情を抱いてしまうのが,どうやら人間という生き物の特徴のようです。し かし,そもそも,どうして我々は他人の不幸に喜びを感じてしまうのでしょう か?実は,最近の研究によって,この種の感情について色々なことがわかってき ました。そこで今回は,“シャーデンフロイデ”と呼ばれる社会的感情の謎に迫 り,その実態やメカニズムに関する最新の知見をご紹介したいと思います。
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重度知的障害者への療育

-感情脳システムや快感情を重視したアプローチ-

舟橋厚氏

(愛知県心身障害者コロニー)

重度知的障害者の表情や行動を生き生きとさせ,地域生活におけるQOLを高める戦略では、本人の意思や気持ち,つまり,主体性や能動性を尊重することが重要である。感情脳の機能のうち快感情を重視し,重度知的障害者間の相互援助行動を促進するように療育を行うと,重度知的障害のある人たちが自信にあふれ,生き生きと行動するようになることを,療育現場でのエピソードを中心に報告する。
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日記を書くと身体に良い!?

-筆記開示(言語化)と健康-

湯川進太郎 氏

(筑波大学)

我々は普段,何か楽しいことや腹の立つことなどがあると,それを他人に話さずにはいられない。また,心理療法・カウンセリングとは,自分の内的な感情経験を言語化するプロセスである。一方,歴史的宗教的には,キリスト教における懺悔(告白)などの文化装置として,感情経験を語ることが永らく生活の知恵として浸透している。このように,感情経験を言葉にするという行為(言語化)は,我々人間にとって何らかのポジティブな効果があるのだろうと考えられる。今回のコロキウムでは,この言語化の効果について,その概要とメカニズム,怒りの制御やスポーツ成績の向上に応用した研究などを紹介する。
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問題は、なんでも積極的に解決することが良いのか

-対人ストレス研究より-

加藤司氏

(東洋大学社会学部社会心理学科)

問題が起こったら,積極的に,その問題を解決することが,一般的に「よし」とされているようである。問題が起こっても,「うやむや」にしてきた日本人にとっては,心苦しいばかりだ。心理学の世界でも,それは変わらないようである。例えば,臨床心理学では,このところ30年ほど,「社会的問題解決療法」が注目を集めており,その手法は,文字通り,積極的に問題を解決する介入法である。また,発表させていただくストレス研究においても,遭遇したストレスに対して積極的に問題を解決する方略がストレス低下に至ることが報告されている。本当に,それでいいのだろうか? 本発表では,問題を「うやむや」にすることの重要性を報告する。
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社会性を生み出す前頭葉の謎

梅田聡氏

(慶應義塾大学文学部)

近年、認知神経科学研究の進歩に伴い、脳と心の関係性がさまざまな角度から明らかにされている。中でも前頭葉が担う高次認知機能については、ここ10年間で多くの事実が明らかにされた。そして、前頭葉の一部の部位は、社会性や倫理判断に深く関与することもわかってきた。今回は、前頭葉の部位による機能の違いに注目し、(1)MRIを用いた脳機能画像研究、(2)脳損傷例を対象とした神経心理学研究、(3)自閉症を対象とした発達障害研究から前頭葉機能の謎に迫りたい。
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気韻生動,理想郷を描く

-ーある水墨画家の創作活動に関するフィールドスタディー -

横地早和子 氏

(名古屋大学教育発達科学研究科・中部大学非常勤講師)

芸術家はどのように作品を作り,どのように創造的な仕事をしているのだろうか?心理学において,創造性は重要な研究対象ですが,芸術家など実際に創造的な仕事を行っている人たちの,創作活動における認知プロセスについては,ほとんど研究されていませんでした。そのため,芸術的な創造活動において,「何が大切な問いであるのか」「どのような仮説を生成することが妥当であるのか」,まずそれを探すことから研究がはじめられました。本発表では,約5年にわたって行われたフィールドスタディで明らかになった,芸術的な創造活動のプロセスについて御報告したいと思います。
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心理学からがんの疫学へ,そして再び心理学へ

小川浩 氏

(中部大学人文学部心理学科)

心理学科に赴任して半年になります。私を知らない方々が多いと思いますので,この場をお借りして自己紹介させていただきます。私は名古屋大学で教育心理学,社会心理学を学びました。その後,愛知県がんセンター研究所でがんの疫学研究に従事し,1.喫煙の健康影響とたばこ対策、2.がんの家族集積、3.乳ガンの自己検診、4.がんの心理社会的側面、5.がんの記述疫学と相関分析,を中心に研究してきました。そして,愛知みずほ大学人間科学部で教育活動に携わってきました。これまでの私のあゆみをふり返るとともに,今後の私の抱負を述べてみたいと思います。
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少人数授業における教師と子どもの個別的関わり

西口利文氏

(中部大学人文学部心理学科)

学校の授業でクラスサイズを少人数にすることが,教育効果の向上につながることについては,これまで国内外で指摘されてきた。しかしながら,その理由については必ずしも明らかになっているわけではない。本講演では,愛知県犬山市における小学校の少人数授業の観察記録を踏まえながら,教師と子どもとの個別的関わりが豊富になることによって,少人数授業の教育効果が生じているという可能性について報告したい。
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「青年期でも親子関係がいいと友人関係をうまく作れるのか‐親への愛着からの検討」

丹羽智美氏

(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・中部大学非常勤講師)

従来の青年心理学で言われている親子関係は,「心理的離乳」「脱衛星化」と表現されているように,親と子の分離を課題としています。しかし,親子の間に絆があるからこそ分離できるのであり,子どもが自信をもって社会で自律的に行動できると思われます。このように社会性を促すという点で親子の絆は基本的土台になっているといえるのです。今回の発表では,親子間の絆である愛着という観点から,社会性の基本である対人関係形成への影響過程,特に青年にとって重要性が高い友人関係の形成について検討した結果を紹介したいと思います。
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印象形成時における自己関与が確信度の変化に及ぼす影響

高橋剛正氏

(人文学部心理学科4年生)

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The Game Play Experience: Differences Across Genders and Cultures

Mia Consalvo氏

(Ohio大学Telecommunications学科博士)

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児童の積極的授業参加行動の検討

布施光代氏

(名古屋大学教育発達科学研究科・中部大学非常勤講師)

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幼児期から児童期にかけての時間処理能力の発達

--生活時間構造の階層性の発達との関連- -

丸山真名美氏

(三重中京大学短期大学部こども学科)

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あったか,なかったか,それが問題だ To Be, or Not To Be, That Is the Question.

川上正浩氏

(大阪樟蔭女子大学人間科学部)

記憶ってなんでしょう.私たちの生活は記憶なしでは成り立ちません.でも,そんな身近な記憶について,私たちはあまり多く知っているとは言えないようです.そして,人間の記憶は私たちが思っているほど正確なものではありません.今回のコロキウムでは,記憶する,という実験を実際に体験してもらい,記憶という営みを,心理学がどのように捉え,そしてその営みにどのような特徴やクセを見いだしているのかついて,お話ししようと思います.筆記用具持参でご参加下さい.
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不思議なものを信じる心

-超常現象の認知心理学-

菊池聡氏

(信州大学人文学部)

超能力や心霊,血液型性格判断など,現在の科学では説明できない現象を,私たちはなぜ信じてしまうことがあるのでしょうか。今回は,こうした信じやすい心の背景にある私たちの思考情報処理の特徴を,認知心理学の考え方をもとに分析いたします。そして,超常現象に限らず,社会の中でのさまざまな出来事に対して批判的に考える(クリティカルシンキング)力を身につけていただきたいと思います。
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対人コミュニケーションに関する社会心理学的研究

--二者間会話場面における印象に注目して--

小川一美 氏

(愛知淑徳大学コミュニケーション学部)

他者と付き合い,社会生活を営む上で,欠くことのできない重要な行動の1つが,対人コミュニケーションである。我々は会話を通して,多くの情報を獲得したり,情報を発信したりしている。そして,単なる会話内容だけでなく,そこに付随する多様な要因が対人行動に影響を与えている。対人コミュニケーションに焦点をあてて対人関係の諸相を社会心理学的に検討していくことで,得られる知見は多いはずである。本コロキウムでは,二者間会話場面における手がかり情報と印象の関係に関して実験的に検討した研究などを紹介する予定である。
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援助場面における援助者側と被援助者側との状況認識の相違について

松浦均氏

(中部大学)

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自己愛傾向の2成分モデルの展開

小塩真司氏

(人文学部心理学科)

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整列効果と参照枠

松井 孝雄氏

(中部大学)

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児童が主体的に学ぶグループ学習の実践

浅輪 郁代氏

(犬山市立東小学校教諭)

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子どもの学習を支援する学校環境整備

笠井尚氏

(中部大学国際関係学部助教授)

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「明日の授業実践が「変わる」ための工夫

西口 利文氏

(人文学部心理学科)

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心理コロキウム概要

障害児の発達支援と家族への社会的な支援

武藤久枝氏

(中部大学)

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心理コロキウム概要

中年期女性の心理療法

願興寺礼子氏

(中部大学)

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心理コロキウム概要

「中学生用キャリア形成能力達成度尺度」の作成

中川真理子氏

(大学院国際人間学研究科 博士前期課程1年)

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心理コロキウム概要

Ohio University,Department of Psychology 研究報告

-一般編 -

水野りか氏

(人文学部心理学科)

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思春期の心の病

-その理解と対応について-

鍋田恭孝氏

(大正大学)

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心理コロキウム概要

記憶定着に関する心理学モデルの教育工学への応用

水野りか 氏

(心理学科教授)

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援助行動の経験が今後の行動に及ぼす影響について

松浦 均氏

(心理学科助教授)

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日常場面における感情と自尊感情

小塩真司氏

(中部大学)

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信頼感尺度とケンカに対する捉え方

神崎竜也氏

(心理学科学生)

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問題場面で児童が教師に求める言葉かけの検討

西口利文氏

(心理学科助手)

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同期型遠隔集合教育用e-Learningシステム,"Broad-NE"の紹介

永當 伸治 氏

(日立造船情報システム ラーニングソリューション部長)

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心理コロキウム概要

臨床心理職の資格法制化問題の現状と課題

願興寺礼子氏

(人文学部心理学科)

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心理コロキウム概要

理想自己と義務自己の機能的差異

小平英志氏

(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・中部大学非常勤講師)

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心理コロキウム概要

「ライバル」とはどのような人間関係なのか?

太田 伸幸氏

(愛知工業大学基礎教育センター総合教育教室 講師)

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心理コロキウム概要

教育におけるマルチメディア・ネットワークの活用

水野りか氏

(中部大学)

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援助行動研究の動向

-不適切援助行動という視点から-

松浦均氏

(中部大学)

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青年の自己愛傾向の研究

-理論と実証の間-

小塩真司氏

(中部大学)

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学級での問題場面における教師行動の研究

西口利文氏

(中部大学)

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女子のひきこもりに関する研究

願興寺礼子氏

(中部大学)

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競争心概念に関する基本的検討

-競争場面における個人の目標認知からのアプローチ-

太田伸幸氏

(愛知工業大学 講師)

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文章産出におけるメタ認知の役割について

崎濱秀行氏

(名古屋大学大学院教育発達科学研究科)

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心理学科学生の進路について

西口利文氏

(心理学科助手)

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心理コロキウム概要

心理学科1年生のコンピュータ教育開始前後のコンピュータに対する態度の変化

水野りか氏

(中部大学)

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