心理データ解析 第8回(3)
分析例2(主因子解・プロマックス回転)
10項目からなる友人獲得尺度(小塩, 性格心理学研究1999年; 項目は以下を参照)を50名に実施したデータを因子分析する(実際のデータの一部を使用)。
Excelデータのダウンロード → ex0802_2004.xls
SPSSデータのダウンロード → data08-02.sav(右クリック 各自のUSBメモリに保存し,SPSSで開く)
注:Excelデータをそのまま読み込んで分析しようとすると,変数名に関するエラーが出る(SPSS16)。変数名を短いものにし,項目内容を変数ラベルにコピーしてください。
- 分析 → データの分解 → 因子分析
- 指定方法も分析例1と同じ。違うのは…
- 「因子抽出」で因子数を「2」としておく。
- 「オプション」で「サイズによる並び替え」にチェックを入れておく。
- 「回転」をクリックした後
- 「プロマックス」を選択
- 「カッパ(K)」の入力欄はそのままにしてお
結果の出力
- 共通性が出力される。
- 項目数が10なので,10個の共通性が出力される。
- 「F1_悩みを話し合えるような友人ができた」の因子抽出後の共通性は.433であるので,独自性は1-.433=.567となる。

注:SPSSの表をダブルクリックすると,枠の幅を調整することができる。
- 固有値が出力される。
- 先ほど行ったバリマックス回転の表と比べると,プロマックス回転を行った場合,「回転後の負荷量平方和」欄に「合計」しか出力されていない。
- プロマックス回転のような斜交回転の場合,寄与率を計算することができないので,出力されない。
- 回転前の因子行列
- バリマックス回転の時と同様,「初期解の因子負荷量」が出力される。
- 「サイズによる並び替え」にチェックを入れておいたので,因子負荷量が高い順に並べ替えられている。
- プロマックス回転の場合,「パターン行列」と「構造行列」が出力される。
- バリマックス回転の出力における「回転後の因子負荷量」に相当するのは「パターン行列」である。
- プロマックス回転の場合,因子分析の解釈や因子分析表に記入する際には,「パターン行列」を参照すること。
- 「因子間相関」が出力される。
- プロマックス回転のような「斜交回転」は,因子の間に相関があることを仮定している。従って,因子を抽出した後に因子どうしの間の相関係数が出力される。
- このデータでは,因子間相関が.49となっている。相互に正の相関関係にあるようだ。
- バリマックス回転のような「直交回転」の場合,因子間の相関が「0」であることを仮定しているので,因子間相関は出力されない。
因子分析結果を表に表す
- レポートにまとめる時には,SPSSの出力表をそのまま掲載してはいけない。かならずExcelで表を作成すること。研究誌に掲載されている因子分析表をよく参考にして作成してほしい。
- たとえばこんな感じ…(プロマックス回転後の因子パターン)。
- 上は項目を並べ替えていない。下は因子負荷量によって項目を並べ替えた後。
Table 1 友人獲得尺度の因子分析結果(プロマックス回転後の因子パターン)

- プロマックス回転のTableに必要な情報は,項目,因子パターンに示された負荷量,因子間相関である。共通性や因子寄与は記入しなくてもよい。
斜交回転とは?
- 回転前の因子負荷量を図に示す。
- 2つの回転前の因子を縦と横の軸で表している。
- 「回転する」というのは,この縦軸と横軸をうまく測定値と因子が合致するように回転させること。
- 「プロマックス回転」というのは,縦軸と横軸をそれぞれ別々に回転させる方法のひとつ。従って「斜交回転」という。
- この2つの軸は,因子間相関が「0」の時に「直角」となる。バリマックス回転は「直角」を保ったまま回転する方法であった。
- プロマックス回転は軸をそれぞれ別に回転させるので,因子間に相関があっても構わない。また,結果的に因子間相関が0に近くなることもある。
- 因子分析を行う時には,バリマックス回転のような直交解ではなく,プロマックス回転のような斜交解を推奨する研究者もいる。プロマックス回転を行い,因子間相関が0に近いことを確認した後で,バリマックス回転を行う場合もある。
- 回転させた後の因子パターンを直交した軸の平面に描くと,次のようになる。
- 上で回転させた緑色の軸を,再度90度に開いたものだと考えてほしい。
- ただし実際には,第1因子と第2因子の間の相関が.49あるので,2つの因子は下の図のように直交しない。上の図の方が斜交回転のイメージに近いだろう。
- さて,先程のプロマックス回転後の因子パターンを見ると,項目5の負荷量が低いようだった。
- このような場合,再度因子分析を行い,尺度を洗練させたものにしていくのが一般的な手続きである。
- 次回はそのような手法を学んでいこう。
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小塩研究室